「7月にトルコへ行きたい。でもANAのサイトには空席なし……」
私たちが最初に直面したのは、まさにこの壁でした。ANAマイルを貯めていれば、同じスターアライアンス加盟のシンガポール航空便にも乗れるはず。そう思ってANAのサイトを開くと、希望する便には「空席なし」の文字が並んでいました。
諦めかけたとき、ふと思い立ってシンガポール航空の公式サイト(singaporeair.com)を直接開いてみました。するとそこには、余裕で空席が表示されていたのです。
この記事では、ANAマイルで取れなかった名古屋→イスタンブール往路の特典航空券を、クリスフライヤーマイルに切り替えることで確保した実録を全公開します。夫婦2名・エコノミー・手出しは合計12,100円(1人6,050円)でした。
クリスフライヤーマイルの貯め方・移行レート・必要マイル数の詳細についてはクリスフライヤーマイルの貯め方【2026年完全版】をご覧ください。この記事では「どうやって発券したか」の実録に絞ってお伝えします。
「ANAで空席なし」は本当の満席ではない——自社枠と提携枠の決定的な差
同じ便なのになぜANAでは取れないのか
マイルの世界には、初心者にはなかなか見えない「在庫の壁」が存在します。
ANAマイルでシンガポール航空(SQ)便の特典航空券を予約する場合、使えるのは「提携社特典枠」という席です。シンガポール航空が他社の会員向けに開放している、ごく限られた座席です。量で言えば1便あたり数席程度の場合も珍しくありません。
一方、クリスフライヤー(SQ自社マイル)で予約する場合は「自社特典枠」を使います。シンガポール航空が自社会員のために優先確保している枠で、提携枠よりはるかに多くの席が用意されています。
| 予約方法 | 使える枠 | 空席の多さ |
|---|---|---|
| ANAマイルでSQ便を予約 | 提携社特典枠(少ない) | ★☆☆ |
| クリスフライヤーでSQ便を予約 | 自社特典枠(豊富) | ★★★ |
実際に体験した「空席なし」と「空席あり」の差
私が7月の名古屋→シンガポール→イスタンブール便をANAのサイトで検索すると、希望する複数の日程すべてで「空席なし」と表示されていました。
次に、シンガポール航空の公式サイトを直接開き、クリスフライヤーのマイルで同じ便を検索しました。結果は——余裕で空席あり。
「ANAマイルを持っているのに、なぜ取れないのか」という疑問の答えはここにあります。同じ便でも、ANAに開放されている提携枠の数は非常に限られているのです。
逆に言えば、クリスフライヤーマイルを1枚持っておくだけで、ANAマイルでは取れない便が取れるようになるわけです。「ANAで空席なし」はゴールではなく、次の手を打つサインだったのです。
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シンガポール航空自社便の燃油サーチャージが0円になる仕組み
YQ(燃油サーチャージ)とは何か
特典航空券を予約する際、マイル以外に発生する費用のなかで最も高額になりやすいのが「燃油サーチャージ(YQ)」です。航空会社が燃料費の変動を乗客に転嫁するために課す料金で、国際情勢や原油価格の動向によって大きく変動します。
2026年現在、ANAやJALのマイルで欧州・中東方面の特典航空券を発券すると、1人あたり3〜5万円の燃油サーチャージが発生するケースも珍しくありません。夫婦2名の旅行であれば、それだけで6〜10万円の追加負担になります。
なぜクリスフライヤー自社便は0円なのか
シンガポール航空は、クリスフライヤーマイルを使った自社便の特典航空券に燃油サーチャージを課さないという経営方針を採用しています。ANAやJALとは根本的に考え方が異なります。
ただし、正確に理解しておきたいのは「燃油サーチャージ0円=完全無料ではない」という点です。空港使用料・航空保険料・出入国税などの諸費用は別途発生します。
今回の実績では、これらの諸費用が夫婦2名合計で12,100円(1人6,050円)でした。

| 費用の種類 | 今回の実績(夫婦2名) |
|---|---|
| 燃油サーチャージ(YQ) | 0円 |
| 空港使用料・航空保険料・税金等 | 12,100円 |
| 合計手出し | 12,100円 |
仮にANAマイルで同じ便を提携枠で予約できたとしても、燃油サーチャージだけで1人あたり数万円が上乗せされていたはずです。「アメックス→クリスフライヤーへの移行は0.8倍にレートが下がる」という事実を考慮しても、クリスフライヤーに切り替えた価値は十分以上にありました。
移行レートの詳細と損益分岐点の計算についてはクリスフライヤーマイルの貯め方【完全版】で解説しています。
実録:空席確認から発券完了まで——SQ公式サイトの操作手順
「英語で難しそう」「手順がわからない」——そう思われるかもしれませんが、シンガポール航空の公式サイトは日本語に対応しており、操作は想像より簡単でした。以下、実際に行った手順をお伝えします。
STEP 1|マイル移行より先に空席を確認する
最初に守るべき鉄則は、マイル移行の前に必ず空席を確認することです。アメックスからクリスフライヤーへのポイント移行は一度行うと取り消しができません。先にマイルを移行してしまい、その後で空席がなかった……という事態を防ぐために、空席確認が最初のステップです。
シンガポール航空公式サイト(singaporeair.com)にクリスフライヤーアカウントでログインし、「マイルを使う」→「特典航空券の検索」から出発地・目的地・日程を入力します。
表示される結果に「セーバー」枠の空席があれば、発券に向けて動き出すサインです。セーバー枠は必要マイル数が最も少ない枠で、陸マイラーにとって最も狙い目の枠です。
STEP 2|アメックスからクリスフライヤーへ移行申請する
空席を確認したら、アメックスの会員サイトからポイント移行を申請します。

今回の実績:
- 移行ポイント:150,000アメックスポイント
- 移行後マイル:120,000クリスフライヤーマイル(1,250pt → 1,000マイルのレート)
- 移行にかかった期間:申請から口座反映まで約2週間
この「約2週間」の間に空席が埋まるリスクがあります。人気路線・繁忙期ほど要注意です。私の場合は移行申請後も空席が残っていましたが、空席が出やすい閑散期・平日を狙った点も幸いしました。
STEP 3|マイル反映を確認後、発券する
クリスフライヤーの「マイル明細」でマイルの反映を確認したら、改めてSQ公式サイトから同じ便を検索し、マイルでの支払い手続きを完了させます。
クレジットカードは空港税等の支払いに必要です。予約確定後、登録メールアドレスに確認メールが届きます。
今回使用したマイル数(往路・夫婦2名・エコノミー):
| 内容 | 数字 |
|---|---|
| 移行ポイント | 150,000pt |
| 移行後マイル | 120,000マイル |
| 発券に使用したマイル(往路2名) | 114,000マイル |
| 残マイル(次回旅行用に温存) | 6,000マイル |
特典航空券の空席確認の実践的な方法については特典航空券の空席の見つけ方【実録ガイド】も参考にしてください。
往路SQ×復路JAL——複数マイルを目的別に使い分ける旅程設計
今回の旅行は、往路をクリスフライヤー(SQ自社便)、復路をJALマイル(ワンワールド特典)で別々に発券する形になりました。これは妥協ではなく、意図した戦略です。
なぜ往路だけシンガポール航空にしたのか
理由は2つあります。
1つ目は、ANAのサイトで往路の空席が確保できなかったこと。クリスフライヤーのサイトを開いたら余裕で空席があったため、自然と流れでSQの自社マイルで発券する流れになりました。
2つ目はシンプルにマイル残高不足です。さすがに往復2人分の特典航空券を取るだけのマイルがありませんでした。代わりにJALマイルが貯まっていたので、ワンワールドの得t年航空券で発券する方針となりました。
「どちらのマイルで取るか」は、空席状況とマイル残高の両方を比較して決めるのが実践的なアプローチです。
片道発券の自由度がこの戦略を可能にする
クリスフライヤーは片道からの発券が可能です。往復で無理に同じマイルプログラムに縛られる必要はありません。往路はSQ、復路はJALという組み合わせが成立するのは、この片道発券の自由度があるためです。
復路のJALマイル(ワンワールド特典航空券)による発券の詳細はワンワールド特典航空券でヨーロッパへ【実録】でまとめています。
「移行レート0.8倍は損」という誤解を解く
アメックスポイントをANAマイルに移行すると1,000pt→1,000マイル(1:1)なのに対し、クリスフライヤーへは1,250pt→1,000マイル(実質0.8倍)です。この数字だけ見ると「損」に感じるかもしれません。
しかし実際の総コストで比較すると話は変わります。
| 比較項目 | ANAマイル(提携枠) | クリスフライヤー(自社枠) |
|---|---|---|
| 移行レート | 1:1(有利) | 0.8倍(不利) |
| 空席の取りやすさ | 少ない | 豊富 |
| 燃油サーチャージ(ヨーロッパ往路・1名) | 3〜5万円 | 0円 |
| 今回の実費(夫婦2名・往路) | ——(空席なし) | 12,100円 |
「20%のポイント減」と「3〜5万円×2名分の燃油代節約」、どちらが実質的に得かは明白です。移行レートは数字だけで判断せず、「発券後の総コスト」で比較することが重要です。
まとめ:2026年のマイル旅は「出口の設計」で決まる
今回のトルコ往路発券を通じて、3つのことを実感しました。
- 「ANAで空席なし」でも終わりではない。クリスフライヤーなら自社枠で確保できるケースがある
- 燃油サーチャージ0円の威力は大きい。夫婦2名の手出しを12,100円(1人6,050円)に抑えられた
- 往路SQ×復路JALの組み合わせ発券で、それぞれのマイルプログラムの強みを活かせる
マイルは「貯める」ことと同じくらい、「どう使うか(出口)」の設計が旅の質を決めます。まずシンガポール航空の公式サイトで、行きたい目的地の空席を一度確認してみてください。ANAでは「空席なし」だった便が、意外とあっさり見つかるかもしれません。
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よくある質問(FAQ)
ANAマイルを使えばシンガポール航空便の特典航空券を取れますか?
ANAマイルでも取れますが、ANAに開放される「提携枠」の席数は自社枠より少なく、特に繁忙期や人気路線では空席が見つかりにくい傾向があります。同じ便でも、クリスフライヤーマイルを使う方が空席を確保しやすいケースがあります。
クリスフライヤーの特典航空券はどこで予約できますか?
シンガポール航空の公式サイト(singaporeair.com)から日本語で予約できます。クリスフライヤー会員番号でログインし、「マイルを使う」→「特典航空券の検索」から操作します。会員登録は無料です。
アメックスからクリスフライヤーへの移行にはどれくらい時間がかかりますか?
初回移行は申請から口座反映まで約2週間かかります(実績値)。移行後のキャンセルは不可のため、先に空席を確認してから申請することを強くおすすめします。
12,100円という費用の内訳を教えてください。燃油サーチャージは本当に0円ですか?
燃油サーチャージ(YQ)は0円です。12,100円は空港使用料・航空保険料・出入国税などの諸費用で、マイル特典に関係なく発生する費用です。「特典航空券=完全無料」ではなく「燃油部分が0円」というのが正確な表現です。
往路と復路で別々のマイルプログラムを使えますか?
使えます。クリスフライヤーは片道からの発券が可能なので、往路はクリスフライヤー(SQ自社便)、復路はJALマイル(ワンワールド特典)のように、それぞれ有利な条件のプログラムを使い分けることができます。
セーバー特典の空席はいつから確認できますか?
搭乗日の360日前からシンガポール航空の公式サイトで確認できます。繁忙期の人気路線ほど早く埋まるため、旅行の計画が決まったら早めに空席確認を始めることをおすすめします。
今回の旅行でANAマイルを一切使わなかったのですか?
ANAマイルは使いませんでした。往路はクリスフライヤー(SQ自社便)で発券しましたが、復路はJALマイルで別途発券しています。ANAマイル・JALマイル・クリスフライヤーのどれを使うかは、空席状況・燃油サーチャージ・必要マイル数を比較して都度判断するのが賢いアプローチです。


