「SFCが大改悪された。燃油サーチャージが爆上がりしている。みずほルートも新規では使えなくなった。もう陸マイラーなんてやめた方がいいんじゃないか?」
そう感じた瞬間が、私にも何度もありました。
2026年5月発券分からJAL・ANAの欧米便燃油サーチャージが往復1人あたり最大11万2,000円に達し、みずほマイレージクラブカード/ANAの新規申込も2026年1月に終了。ANA派の陸マイラーには相当な逆風が吹いています。ただ今、私はKrisFlyer約12.5万マイル+JALマイル約11.5万マイルを保有したまま、陸マイラーを続けています。
この記事では最初に「陸マイラーをやめた方がいい人の5条件チェックリスト」を公開します。3つ以上当てはまった方には代替ポイ活も提案します。
その上で「保有マイルの現金換算価値」「JAL便の燃油サーチャージ無料という構造的優位」「Vポイント投資全振りとの比較」を実数で示し、続けるかどうかの判断材料を丸ごと整理します。
→ 陸マイラー全体の仕組みは陸マイラーの始め方で解説しています。
陸マイラーをやめた方がいい人の5条件【自己診断チェックリスト】
まず自己診断から始めてください。以下の5項目のうち、自分に当てはまるものにチェックを入れてみてください。
□ 条件①:細かい初期設定を一度もやりたくない人
クレカ積立の証券口座設定・カードの引き落とし先変更・モッピードリームキャンペーンの月次操作——最初のセットアップに数時間、その後は月1回程度の定型作業が必要です。「少しの手間も最後まで続けられない」と感じるなら、陸マイラーは難しいです。
□ 条件②:旅行の予定を2年先まで具体的に考えられない人
人気路線の特典航空券は355日前から予約開始で、空席は少ない。「気が向いたら旅行」スタイルでは取れません。「2年後にヨーロッパへ必ず行く」という具体的な計画がない方は、マイルを貯める動機そのものが薄れていきます。
一方でKrisflyerなど外資系のマイルであれば、比較的直近でも特典航空券が取りやすいです。
□ 条件③:カードの使い分けルールを覚えたくない人
「コンビニはAカード、積立はBカード、コード決済はCカード」という使い分けに強い拒否感がある人には向いていません。Vポイントのキャッシュバックやシンプルな高還元1枚カードの方が、ストレスなく資産を増やせます。
□ 条件④:マイルの有効期限を管理できない人
JALマイルは積算月から36ヶ月で失効します。「いつの間にか失効していた」という経験を繰り返す可能性がある方は、陸マイラーで損をするリスクがあります。失効リスクをゼロにできないなら、期限のないポイントや現金還元の方が合っています。
□ 条件⑤:ANAマイル一択で、他のマイルへの切り替えが難しい人
みずほルート新規終了・ANAの必要マイル値上げ・空席不足という三重苦の中でANA一択にこだわり続けると、費用対効果が落ちる一方です。KrisFlyerやJALマイルを複数保有する柔軟な戦略が取れない方は、今の環境では特にきつくなっています。
3つ以上当てはまるなら、やめていいと思います。無理に続けるより、シンプルなポイ活に切り替える方が、ストレスなく資産形成できます。
3つ以上当てはまった方へ——シンプルなポイ活への切り替え方
陸マイラーをやめることは「ポイ活をやめること」ではありません。切り替え先として現実的な選択肢を2つ挙げます。
①三井住友プラチナプリファード+Vポイント投資:クレカ積立のVポイントをそのままSBI証券の投資信託購入に充当できます。マイルへの変換という複数ステップが不要で、管理がシンプルです。年間最大3万〜5万円相当のポイントが積み上がります。
②楽天ポイント経済圏(楽天カード+楽天市場集中):改悪が続いているとはいえ、日常の買い物を楽天市場に集中するだけで月数千〜1万円相当のポイントが貯まります。使い分けルールが最小限で済みます。
以降は「チェックリストで0〜2個だった人」、つまり「陸マイラーを続ける価値がある人」向けの判断材料です。
2026年の4大改悪——SFC大改悪・燃油サーチャージ・ANAマイル必要数増加・みずほルート新規終了
「やめた方がいい」と感じた2026年の出来事を整理します。改悪の全体像を把握した上で、自分への影響を判断してください。
改悪①:ANA SFC大改悪(2026年5月発表)
一度獲得してしまえば半永久的にラウンジなどが使い放題だったSFCですが、2028年から年間300万円を決済できなければラウンジが使えなくなるという、ANAユーザーにとっては絶望的な大改悪がありました。
改悪②:燃油サーチャージの大幅引き上げ(2026年5月発券分〜)
JAL・ANAともに2026年5月発券分から燃油サーチャージを大幅引き上げ。欧米往復では1人あたり最大11万2,000円。夫婦2名分なら22万円以上が、マイルとは別に現金でかかります。
改悪③:ANAの必要マイル数値上げ
ANAの国際線特典航空券は一部路線で必要マイルが大幅に引き上げられました。欧州ビジネスクラスは改定前比で最大168%増という路線もあります。さらに特典航空券の空席自体が少なく、取得難易度が上がっています。
改悪④:みずほマイレージクラブカード/ANAの新規申込終了(2026年1月21日)
陸マイラーの間で重宝されていた「みずほルート」の実現に必須だったみずほマイレージクラブカード/ANAの新規申込が2026年1月21日で終了しました。既存保有者は引き続き利用できますが、これから始める方はこのルートを開通できません。ANA派の新規陸マイラーにとって、大量マイル獲得の主要ルートが一つ封鎖された形です。
やめる前に保有マイルの価値を試算する——私の場合は100〜150万円相当だった
「やめたい」と思ったとき、一度冷静に計算してみました。今持っているマイルを現金換算するといくらになるのか。
| マイル/ポイント | 保有数 | 移行先・用途 |
|---|---|---|
| KrisFlyerマイル | 約125,000マイル | シンガポール航空・提携航空便 |
| JALマイル | 約115,000マイル | JAL便・ワンワールド特典 |
| 三菱UFJグローバルポイント | 約4,500pt | 36,000マイル相当(移行待ち) |
| アメックスリワードポイント | 約80,000pt | 40,000ANAマイル相当(移行待ち) |
KrisFlyer12.5万マイルで何ができるか:東京⇔ヨーロッパ ビジネスクラス片道が約84,000マイル〜。現金購入すると40〜80万円が相場のフライトに相当します。エコノミーでも往復30-40万円くらい必要です。
JALマイル11.5万マイルで何ができるか:実際に私たちはワンワールド特典航空券でイスタンブール往復を80,000マイル+46,620円(夫婦2名分)で発券した実績があります。同じビジネスクラスを現金で購入すると、2名で70〜100万円以上になります。
保有マイル全体の現金換算価値(保守的試算):
- KrisFlyer 125,000マイル:約50〜70万円相当のフライト価値
- JALマイル 115,000マイル:約50〜70万円相当のフライト価値
- MUFG・アメックス移行待ちポイント:追加で15〜20万円相当
- 合計:保守的に見ても100〜150万円相当
「これを全部やめたら純粋にもったいない」というのが私の正直な結論でした。自分の保有マイルを同じように試算してみてください。思っているより高い価値が出るはずです。
→ 特典航空券の発券方法は特典航空券の空席の見つけ方で解説しています。
燃油サーチャージを回避する正しい戦略——「自社マイル×自社便」ではなく「自社マイル×提携社便」
燃油サーチャージについて、まず正確な前提を整理します。JALもANAも、自社マイルを自社便の特典航空券に使う場合は燃油サーチャージがかかります。 JAL公式の発表では「JALマイレージバンク国際線特典航空券ご利用のお客さまにも同額をご負担いただきます」と明記されており、2026年5月発券分では欧米往復1人あたり最大11万4,400円が特典航空券にも課されます。
燃油サーチャージを回避する方法は、自社マイルを「提携航空会社の特典航空券」に使うことです。
| 発券方法 | 燃油サーチャージ(往復/1人) |
|---|---|
| JAL便×JALマイルで発券 | 最大約114,400円(かかる) |
| ANA便×ANAマイルで発券 | 最大約112,000円(かかる) |
| JALマイル×カタール航空便で発券(ワンワールド提携) | 0円 |
| KrisFlyerマイル×シンガポール航空便で発券 | 0円※SQ規定による(路線・時期で変動) |
重要な点として、KrisFlyerはシンガポール航空のマイルプログラムであり、スターアライアンスに加盟しています。JALはワンワールド加盟のため、KrisFlyerマイルでJAL便を発券することはできません。KrisFlyerマイルの主な使い道はシンガポール航空便や、ユナイテッド航空・ルフトハンザなどのスターアライアンス提携社への発券です。
私の保有マイル構成(KrisFlyer+JALマイル)で燃油負担を最小化する考え方はこうなります。
- JALマイル:カタール航空便(AA)などワンワールド提携社への発券で燃油サーチャージを回避。日本からヨーロッパへのルートで有効です。
- KrisFlyerマイル:シンガポール航空便へ発券。シンガポール経由で東南アジア・ヨーロッパへ向かうルートが主な活用先です。燃油サーチャージもないか、あってもかなり安いです。
「JALマイルがあれば燃油無料で飛べる」という単純な話ではありませんが、JALマイルもKrisFlyerマイルも、使い方次第で燃油サーチャージを回避しながら高額ビジネスクラスに乗れる手段として機能します。どの提携社便に空席があるかを前提に旅程を組む柔軟性が、2026年の改悪環境で陸マイラーを続ける上での核心です。
なお実際に私たちが発券したイスタンブール往復(80,000マイル+46,620円・夫婦2名分)の46,620円には燃油サーチャージ・空港税等が含まれています。同ルートをビジネスクラスで現金購入すると2名で70〜100万円以上になるため、マイル活用の価値は依然として大きいという結論は変わりません。
→ KrisFlyerの詳しい活用法はKrisFlyerマイルの貯め方でまとめています。
ANA派の方へ——みずほルート新規終了後の現実的な選択肢
ANA派でみずほルートを使えない状況にある方に向けて、現実的な代替ルートを整理します。
ニモカルート(nimocaルート):みずほルートと同じポイントサイト→ANAマイル交換レート70%を実現できる代替ルートです。必要なカードはANA VISA nimocaカード1枚で、みずほルートより手順もシンプルです。ただし九州または函館での交換手続きが必要になる点は注意が必要です。
Vポイントルート:三井住友ANAカードを活用したポイントサイト→ANAマイル60%交換ルートです。レートはみずほルートより10ポイント低くなりますが、全国どこからでも手続き可能で利便性が高いです。
ANA派でこれらの代替ルートを構築できるなら、陸マイラーを続ける価値は十分にあります。ルート構築が難しい場合は、JALマイルまたはKrisFlyerへの軸足移動も選択肢です。
Vポイント投資への全振りも検討した——代替案を比較した結論
正直に言うと、「三井住友プラチナプリファードのVポイントをそのまま投資信託の購入に充てる」という選択肢を真剣に考えた時期があります。
Vポイント一本化のメリット(検討時):
- クレカ積立のVポイントをそのまま運用できる
- マイルへの変換という複数ステップが不要
- 管理がシンプルになる
検討した結果わかったデメリット:
- やっぱり特典航空券は魅力的だった
- 投資の時間軸(30年)とマイルの時間軸(36ヶ月)は全く違う。混ぜると計画が崩れる
- 大型の旅行の予定はないが、小旅行(東南アジアや国内)は弾丸的に行きたいと思っている
Vポイント一本化は「これから陸マイラーを始めるか迷っている人」や「旅行の予定がなく、投資に集中したい人」には向いています。しかし現在100万円超相当のマイルを保有し、使う先が決まっている私には、数字で見てやめる理由が出てきませんでした。
設定さえすれば自動化できる——月30分で回す「ミニマル陸マイラー」の継続設計
「細かいことが面倒」という気持ちへの実際の答えを書きます。私の陸マイラー活動のうち、毎月必要なアクティブ作業はこれだけです。
| 作業 | 頻度 | 所要時間 |
|---|---|---|
| モッピードリームキャンペーン月次操作 | 月1回 | 約15分 |
| ポイント・マイル残高確認 | 月1回 | 約10分 |
| 特典航空券の空席チェック | 旅行計画時のみ | 約15分 |
クレカ積立は一度設定すれば完全自動。使い分けルールも「この店ではこのカード」と決めてしまえば毎回考える必要はありません。月30〜40分の習慣化で、年間100万円超相当のフライト価値が積み上がっていきます。
分岐点は「最初のセットアップを一度だけ乗り越えられるか」です。それさえできれば、その後は半自動で回せます。
→ クレカ積立×マイルの全体像はJALマイルの貯め方2026でまとめています。
まとめ|「やめた方がいい人」と「続けた方がいい人」の分岐点
2026年の改悪ラッシュを踏まえ、判断基準を整理します。
✅ やめた方がいい人(5条件のうち3つ以上)
- 細かい初期設定や月次作業が続けられない
- 旅行の予定が2年先まで具体的に見えない
- カードの使い分けルールに強い拒否感がある
- マイルの有効期限管理が苦手で失効リスクが高い
- ANAマイル一択で他への切り替えが難しい
✅ 続けた方がいい人
- 特典航空券を使う旅行計画が2年以内に具体的にある
- JALマイルまたはKrisFlyerを中心に保有している(燃油無料の恩恵を受けられる)
- クレカ積立の初期設定に抵抗がない
- 保有マイルの現金換算価値が50万円を超えている
私の場合、KrisFlyer12.5万+JAL11.5万という保有実績と、JAL便の構造的優位、小旅行の見込みなどから「続ける」を選びました。まず冒頭のチェックリストで自己診断し、3つ以上当てはまるならシンプルなポイ活への切り替えを検討してください。
※本記事の還元率・移行レート・サーチャージ金額は執筆時点(2026年5月)の情報です。各社の規約・料金は予告なく変更される場合があります。投資・金融商品の判断は自己責任でお願いします。本記事にはアフィリエイトリンクを含む場合があります。
陸マイラーを続けるなら、まず最初の一歩を
チェックリストで「続けた方がいい」と判断した方へ。陸マイラーの入口として最も重要なのが、ポイントサイトの選択です。
私がJALマイルの主力獲得源として使っているのがモッピーです。ドリームキャンペーン経由でJALマイルに移行すると、月数千〜1万マイルが積み上がります。新規登録で獲得できるポイントを活用するのが最初のステップとして最も費用対効果が高いです。
JALカードSuicaの詳しい使い方・燃油サーチャージ無料の発券手順は以下の記事でまとめています。
よくある質問(FAQ)
陸マイラーをやめる場合、貯めたマイルはどうすればいいですか?
有効期限を確認しながら、現金価値の高い特典に使い切るのが基本です。JALマイルは積算月から36ヶ月で失効するため期限が近いものから使い、KrisFlyerは一定のアクティビティを保てば実質長期保有が可能です。期限が迫っている場合は国内線特典や商品交換で消化する方法もあります。
KrisFlyerとJALマイル、どちらを先に使うべきですか?
原則としてJALマイルを先に消費するプランを立てることをおすすめします。JALマイルは積算月から36ヶ月で失効しますが、KrisFlyerは継続的なアクティビティを保てば長期保有が可能です。どちらも特典航空券への変換を前提にするなら、直近の旅行計画に合わせて使う順番を決めてください。
燃油サーチャージが高くなったらJALの特典航空券もメリットがなくなりますか?
JAL便の特典航空券は現在も燃油サーチャージが無料です。ANA便との差額は欧米往復1人あたり最大11万2,000円になるため、JALマイルやKrisFlyerでJAL便を発券する戦略を取れば燃油の影響を回避できます。ただし今後の規約変更には注意が必要です。
陸マイラーをやめてNISA一本化に切り替えるのはアリですか?
旅行に強い動機がない方にはアリだと思います。ただし、クレカ積立はNISAと陸マイラーを同時に行う仕組みです。「ポイントサイト活用やカード使い分けの部分だけやめて、クレカ積立NISAは継続する」という部分的な撤退も選択肢になります。
みずほルートが使えなくなった後、ANA派の陸マイラーはどうすればいいですか?
みずほマイレージクラブカード/ANAの新規申込は2026年1月に終了しましたが、既存保有者は引き続きルートを利用できます。新規の方はニモカルート(ANAマイル交換レート70%・全国利用可)またはVポイントルート(交換レート60%)が現実的な代替です。詳細は各記事で解説しています。



