「JALカードはゴールドにしないと損」——そう単純ではありません。損益分岐点は、券種と、飛行機に乗るかどうかと、1マイルを何円と見るかの3つで決まります。
私たちこぎマニ夫婦(内科医とFP3級の夫)は、JALカードSuica CLUB-Aゴールドを2年使い、年会費20,900円を明細で払っています。2年目の通常決済は年20〜30万円、JAL便は中部〜那覇の年2往復。この実績で計算すると、ゴールドの「年会費を引いた手取り」は1マイル2円なら約8,900円のプラス、1マイル1.5円なら普通カード+ショッピングマイル・プレミアムにわずかに負けます。
この記事では、普通・CLUB-A・CLUB-Aゴールド・プラチナの損益分岐点を「飛ばない人」と「年2往復の人」の両方で表にし、最後に我が家の実額で答え合わせをします。
> JALカードSuica限定の新幹線(えきねっと)還元まで含めた計算は、JALカードSuicaゴールドの損益分岐点に条件別の表とシミュレーターを置いています。本記事は、Suicaに限らないJALカード全体の券種比較です。
JALカードの損益分岐点は「年会費÷(還元率×1マイルの価値)」——券種別の早見表
計算式はひとつです。年会費 ÷(マイル還元率 × 1マイルの価値)= 元が取れる年間利用額。年会費20,900円のCLUB-Aゴールド(還元1.0%)で1マイル2円なら、20,900円÷(1%×2円)=104.5万円です。1マイルの価値は人によって違うので、3つの値を並べます。
- 1.5円:国内線の特典航空券に使う場合の目安
- 2円:比較サイトでよく使われる一般的な目安
- 3.8円:私たちの国際線特典航空券の実績値(JALマイルの使い道は実質1マイル3.8円が基準)
券種ごとの年会費と還元率です(2026年9月時点・税込。JALカード公式の比較表をもとに整理)。
| 券種 | 年会費 | 通常決済の還元 | 搭乗ボーナス |
| 普通カード | 2,200円(初年度無料) | 0.5%(200円=1マイル) | 区間マイル+10%・毎年初回1,000マイル |
| 普通+ショッピングマイル・プレミアム | 7,150円 | 1.0%(100円=1マイル) | 同上 |
| CLUB-A | 11,000円 | 0.5% | +25%・毎年初回2,000マイル |
| CLUB-A+ショッピングマイル・プレミアム | 15,950円 | 1.0% | 同上 |
| CLUB-Aゴールド(JCB・VISA・Mastercard等) | 17,600円 | 1.0%(プレミアム自動付帯) | +25%・毎年初回2,000マイル |
| CLUB-Aゴールド(Suica・アメックス) | 20,900円 | 1.0% | 同上 |
| CLUB-Aゴールド(ダイナース) | 30,800円 | 1.0% | 同上 |
| プラチナ | 34,100円 | 1.0%+JAL航空券はアドオンマイル | 同上 |
ショッピングマイル・プレミアム(年4,950円)は通常決済の還元を0.5%から1.0%へ倍にする有料オプションで、CLUB-Aゴールド以上は追加費用なしで付きます。アメックスなど一部ブランドは普通カードの年会費が異なるので、公式の券種ページでご確認ください。
これを計算式に入れた飛行機に乗らない人の損益分岐点(年間の通常決済額)です。
| 券種 | 1マイル1.5円 | 1マイル2円 | 1マイル3.8円 |
| 普通カード | 29.3万円 | 22.0万円 | 11.6万円 |
| 普通+プレミアム | 47.7万円 | 35.8万円 | 18.8万円 |
| CLUB-A | 146.7万円 | 110.0万円 | 57.9万円 |
| CLUB-A+プレミアム | 106.3万円 | 79.8万円 | 42.0万円 |
| CLUB-Aゴールド(17,600円) | 117.3万円 | 88.0万円 | 46.3万円 |
| CLUB-Aゴールド(20,900円) | 139.3万円 | 104.5万円 | 55.0万円 |
| CLUB-Aゴールド(30,800円) | 205.3万円 | 154.0万円 | 81.1万円 |
| プラチナ | 227.3万円 | 170.5万円 | 89.7万円 |
飛ばない人がゴールドで元を取るには、1マイル2円で年88万〜154万円の決済が要ります。以下、券種ごとに分岐点が動く条件を見ます。
普通カードの損益分岐点——ショッピングマイル・プレミアムを付けるかで倍以上変わる
普通カードの年会費は2,200円で初年度は無料です。飛ばない人の分岐点は1マイル2円で年22万円。月約1.8万円で、公共料金と携帯代を集めれば届く水準です。
ショッピングマイル・プレミアム(+4,950円)を付けて1.0%にすると年会費は7,150円、分岐点は年35.8万円に上がります。プレミアム自体の元が取れるのは、4,950円÷(0.5%×2円)=年49.5万円から。それ未満の決済ならプレミアムなしの方が手取りは大きく、それ以上なら付けた方が得です。
CLUB-Aの損益分岐点——飛ばない人には最も割高になる理由
CLUB-Aは年会費11,000円で、通常決済の還元は普通カードと同じ0.5%です。上がるのは搭乗ボーナス(+10%→+25%、毎年初回1,000→2,000マイル)と保険で、飛ばない人にとって決済面の上乗せはありません。
そのため飛ばない人の分岐点は1マイル2円で年110万円。プレミアムを付けて15,950円にしても79.8万円で、年会費17,600円のCLUB-Aゴールド(88万円)とほぼ並びます。年80万円以上決済する人なら、1,650円足してゴールドにした方が保険・ラウンジまで付きます。CLUB-Aが合うのは「飛行機には乗るが決済はしない」人に限られます。
CLUB-Aゴールドの損益分岐点——ブランドで年会費が17,600円〜30,800円まで違う

同じCLUB-Aゴールドでも、年会費はブランドで3段階あります。JCB・VISA・Mastercard・TOKYU・OPは17,600円、Suicaとアメックスは20,900円、ダイナースは30,800円です(JALカード公式 CLUB-Aゴールド)。
還元率は3つとも1.0%で同じなので、分岐点は年会費に比例して1マイル2円で88万円・104.5万円・154万円と開きます。Suicaは新幹線とSuicaチャージの還元、アメックスとダイナースはラウンジや付帯サービスが上乗せの理由で、使わない人には年会費差3,300〜13,200円がそのまま分岐点の差になります。
我が家のSuicaブランドは20,900円を毎年6月に払っています。えきねっとの新幹線還元とJREポイントのマイル移行(3:2)がある分、新幹線を使う人は上の表より分岐点が下がります。その計算はJALカードSuicaゴールドの損益分岐点のシミュレーターに分けています。
プラチナの損益分岐点——JAL航空券のアドオンマイルが前提になる
プラチナの年会費は34,100円で、通常決済の還元はゴールドと同じ1.0%です。飛ばない人の分岐点は1マイル2円で170.5万円と、券種の中で最も高くなります。
差がつくのはアドオンマイルです。JALグループの航空券や機内販売の購入で、通常のショッピングマイルに加えて100円につき2マイルが上乗せされます。JAL航空券を年にまとまった額買う人は、ここで分岐点が一気に下がります。
1マイル2円で、アドオン分だけでゴールド(17,600円)との年会費差16,500円を埋めるには、16,500円÷(2%×2円)=年41.3万円のJAL航空券購入が要ります。飛ばない人や年数回の国内線だけの人には、損益分岐点の面でプラチナは合いません。
我が家の実績——年会費20,900円に対して年約14,900マイル、1マイルの価値で答えが入れ替わる

2年目の我が家の数字で答え合わせをします。JALカードSuica CLUB-Aゴールド(年会費20,900円)で、メインカードではないため通常決済は年20〜30万円です。
搭乗ボーナスの+25%は、区間マイルではなく実際に積算されたフライトマイルに掛かります。私たちの中部〜沖縄はツアー運賃で積算率50%(区間809マイル→405マイル)だったので、ボーナスは1区間101マイルでした。初年度は入会搭乗ボーナス5,000マイルも付きましたが一度きりなので、以下の年間の表からは外しています。
| 獲得の内訳(年) | ゴールド(現在) | 普通+プレミアムなら |
| 通常決済 25万円 | 2,500マイル(1.0%) | 2,500マイル(1.0%) |
| JAL便 中部〜那覇 2往復(積算405マイル×4区間) | 約2,400マイル(+25%=101×4、毎年初回2,000) | 約1,200マイル(+10%=40×4、毎年初回1,000) |
| えきねっと新幹線 約15万円 | 約10,000マイル(10%→JRE 3:2) | 約2,500マイル(5%→JRE 3:1) |
| 合計 | 約14,900マイル | 約6,200マイル |
| 年会費 | 20,900円 | 7,150円 |
この合計を1マイルの価値ごとに円換算し、年会費を引いた「手取り」がこちらです。
| 1マイルの価値 | ゴールドの手取り | 普通+プレミアムの手取り | 有利な方 |
| 1.5円 | 約1,500円 | 約2,100円 | 普通+プレミアム |
| 2円 | 約8,900円 | 約5,200円 | ゴールド |
| 3.8円 | 約35,700円 | 約16,300円 | ゴールド |
国内線の特典航空券に使う前提(1.5円)なら、我が家の使い方ではゴールドの年会費はほぼ相殺されるだけで、普通カード+プレミアムに600円ほど負けます。実際はワンワールド特典航空券でイスタンブール→名古屋のような国際線に使っているので、いまのところ元は取れています。ただし決済の主役が他のカードに移った今、新幹線の利用額が減れば1.5円側の答えに近づきます。来年6月の請求月までに実額を見直し、普通カード+プレミアムへ下げるかを決める予定です。

この残高の大半はカード決済ではなくポイントサイトとクレカ積立から来ています。カード単体の損益分岐点と、マイルを貯める仕組み全体は分けて考えると判断を誤りません(→ JALマイルの貯め方2026)。
損益分岐点でJALカードを選ぶ手順——飛ぶ回数・決済額・マイルの使い道の順
表を自分に当てはめる順番です。
- JAL便に年何回乗るか。0回なら「飛ばない人」の表を見る。年2往復なら、実際に積算されるフライトマイル×25%+毎年初回2,000マイルの価値を年会費から引いてから計算する(割引運賃は区間マイルの50〜75%しか積算されない)
- JALカードで払う年間決済額。メインにしないなら20〜30万円のことが多く、その額では普通カード(2,200円)が最も手取りが大きい
- マイルの使い道。国内線なら1.5円、国際線まで狙うなら3.8円の列で比べる
- 新幹線ならSuica、ラウンジや保険ならアメックス・ダイナースと、年会費差に見合う「上乗せの使い道」があるかを最後に確認する
「ラウンジが付くからゴールド」から入ると、決済額が届かず年会費だけ残ります。手持ちのカード全体でJALカードをどこに置くかはクレジットカード使い分け完全マップにまとめています。
よくある質問
Q. JALカードの損益分岐点はどう計算しますか? 年会費÷(マイル還元率×1マイルの価値)で、年会費の元が取れる年間利用額が出ます。たとえば年会費20,900円・還元1.0%のCLUB-Aゴールドで1マイルを2円と見るなら、20,900円÷(1%×2円)=104.5万円です。JAL便に乗る人は搭乗ボーナスの価値を年会費から引いてから計算します。
Q. 飛行機に乗らない人でもJALカードのゴールドで年会費の元は取れますか? 1マイル2円の前提で、CLUB-Aゴールドは年88万円(年会費17,600円のブランド)〜154万円(ダイナース)の通常決済が必要です。メインカードにしない場合は届きにくいため、年会費2,200円の普通カード(分岐点22万円)から比べるとわかりやすくなります。
Q. ショッピングマイル・プレミアムは付けたほうが得ですか? 年4,950円で通常決済の還元が0.5%から1.0%に上がるため、1マイル2円なら年49.5万円以上の決済で元が取れます。それ未満なら付けない方が手取りは大きくなります。CLUB-Aゴールド以上は追加費用なしで自動付帯です。
Q. JALカードのCLUB-AとCLUB-Aゴールドはどちらが損益分岐点で有利ですか? CLUB-Aにショッピングマイル・プレミアムを付けた年会費15,950円と、CLUB-Aゴールド(JCB・VISA・Mastercard)の17,600円は差が1,650円で、損益分岐点もほぼ並びます。年80万円以上決済する人なら、保険やラウンジが付くゴールドを選ぶ方が合理的です。
Q. CLUB-Aゴールドの年会費がブランドで違うのはなぜですか? JCB・VISA・Mastercard・TOKYU・OPは17,600円、Suicaとアメックスは20,900円、ダイナースは30,800円です。Suicaは新幹線やSuicaチャージの還元、アメックスとダイナースはラウンジや付帯サービスが上乗せされています。通常決済の還元は1.0%で共通なので、上乗せを使わない人は年会費差がそのまま損益分岐点の差になります。
Q. JALカード プラチナはどんな人なら年会費の元が取れますか? JALグループの航空券購入で100円につき2マイルが上乗せされるアドオンマイルが前提です。1マイル2円で、ゴールドとの年会費差16,500円を埋めるには年41.3万円以上のJAL航空券購入が必要になります。飛ばない人や年数回の国内線だけの人には、損益分岐点の面では合いません。
まとめ|JALカードの損益分岐点は「券種×飛ぶ回数×1マイルの価値」で決まる
✅ 計算式は「年会費÷(還元率×1マイルの価値)」。飛ばない人・1マイル2円なら、普通22万円/CLUB-A 110万円/ゴールド88万〜154万円/プラチナ170.5万円 ✅ ショッピングマイル・プレミアム(4,950円)の元が取れるのは年49.5万円から。CLUB-Aは飛ばない人に最も割高 ✅ CLUB-Aゴールドは年会費がブランドで17,600・20,900・30,800円と違い、分岐点もそのぶん開く ✅ プラチナはJAL航空券を年41万円以上買わないとゴールドとの年会費差が埋まらない ✅ 我が家はゴールドで年約14,900マイル。1マイル2円なら+8,900円、1.5円なら普通+プレミアムに僅差で負ける
まずは、直近1年でJALカードに載せた決済額とJAL便に乗った回数を書き出してみてください。それだけで、上の表のどの行が自分の答えかが決まります。
年会費・還元率・搭乗ボーナスは2026年9月時点の公式情報と、筆者の利用実績に基づく数値です。1マイルの価値は使い道によって変わり、各社の条件は予告なく変更されることがあるため、申込や切替の前に必ず公式サイトでご確認ください。本記事は特定のカードの申込を推奨するものではありません。
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