「研修医は薄給で投資どころじゃない」——そう思っていませんか?
私も研修医になる前は同じことを考えていました。ところが2024年4月に初期研修医として入職し、2年間愚直に投資を続けた結果、NISA評価額315万円・評価益+62万円(+24.52%)を残すことができました。
この記事では、研修医2年間の月次手取りデータ24ヶ月分・クレカ積立4社体制の実績・インデックスから高配当への転換理由・そして研修医が見落としがちな住民税ショック対策まで、数字をそのままお見せします。
専攻医になって2ヶ月が経とうとしている今、研修医時代のリアルな記録を残しておきたいと思います。
→ 陸マイラーとしての資産形成全体像は陸マイラーガイドで解説しています。
研修医2年間のNISA実績まとめ|評価額315万円・評価益+62万円(+24.52%)
まず結論から。研修医として2024年4月に入職し、2026年3月現在(2年経過時点)の実績がこちらです。
- NISA評価額:315万円
- 評価益:+62万円(+24.52%)
- クレカ積立で獲得ポイント:約20,000ポイント
新NISA(正式名称:新しい少額投資非課税制度)の生涯投資枠は1,800万円。315万円はまだスタート地点にすぎません。新NISAはつみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)を合わせて年間最大360万円まで非課税で運用でき、積立NISA(つみたてNISA)の後継として2024年から拡充されました(金融庁「新しいNISAについて」参照)。
ただ、研修医という限られた時間・収入の中で「相場がどうなっても投資を続けられた2年間」は、お金以上の財産だと感じています。
「2年でNISA315万円?」と多く感じるかもしれませんが、実は年間満額投資(360万円)には程遠いです。積立できた実質の期間は約1年間です。
2年目後半は結婚・引越し・婚約指輪などのイベントが重なり、資産がほぼ横ばいになった時期もありました。それでも+24.52%の評価益が出たのは、インデックスと高配当の組み合わせと、相場に退場させられなかった精神的な安定のおかげだと思っています。
研修医の手取りは本当に薄給?月次データ24ヶ月を全公開
研修医の給与は就職先で天と地ほど差があります。
大学病院か市中病院か、都市部か地方か——この組み合わせで研修医の手取りは大きく変わります。意外に思われるかもしれませんが、都市部の方が給与は低い傾向があります。東京の有名病院の研修医が月手取り25万円程度、一方で地方の市中病院が月45万円以上というのは珍しくありません。
また、初期研修医はアルバイト(外勤)が原則禁止のため、本業の給与がそのまま投資の原資になります。なお、株式投資・投資信託・NISAは「副業」には該当しないため、研修医でも問題なく行えます(詳細は後述のFAQをご確認ください)。
私が就職したのは給与水準が高く、借り上げ宿舎(家賃1.5万円)という福利厚生にも恵まれた市中病院でした。これから紹介するデータは「恵まれたケース」として読んでください。
1年目(2024年4月〜2025年3月)の月次手取り
| 月 | 手取り | 備考 |
|---|---|---|
| 4月 | 41万円 | |
| 5月 | 46万円 | |
| 6月 | 51万円 | |
| 7月 | 89万円 | うち賞与29万円 |
| 8月 | 49万円 | |
| 9月 | 47万円 | |
| 10月 | 48万円 | |
| 11月 | 47万円 | |
| 12月 | 90万円 | うち賞与28万円 |
| 1月 | 48万円 | |
| 2月 | 47万円 | |
| 3月 | 40万円 | |
| 合計 | 643万円 |
2年目(2025年4月〜2026年3月)の月次手取り
| 月 | 手取り | 備考 |
|---|---|---|
| 4月 | 52万円 | |
| 5月 | 54万円 | |
| 6月 | 47万円 | |
| 7月 | 78万円 | うち賞与28万円 |
| 8月 | 45万円 | |
| 9月 | 43万円 | |
| 10月 | 42万円 | |
| 11月 | 53万円 | |
| 12月 | 88万円 | うち賞与28万円 |
| 1月 | 48万円 | |
| 2月 | 50万円 | |
| 3月 | 50万円 | |
| 合計 | 650万円 |
研修医2年間の合計手取り:1,293万円
月の手取りが多くても、当直明けの疲労で外食が増えたり、2年目には同棲開始で家賃が1.5万円→12万円に跳ね上がりました。研修医として投資に回せた金額の感覚値はこんな感じです。
- 1年目〜2年目7月頃まで:月15万円前後をNISA投資に回せた
- 2年目8月以降:婚約・引越し・結婚準備で資産は横ばい〜やや減少
約1年間「月15万円コツコツ投資」を継続できたことが、今の評価益につながっています。振り返るとお給料をたくさんもらっていますね。感謝です。
研修医2年目の「住民税ショック」——誰も最初に教えてくれない落とし穴
研修医の投資・資産形成で、教科書にも先輩にも教えてもらえない盲点があります。それが「住民税ショック」です。
仕組みはシンプルです。住民税は前年の所得に対して翌年に課税されます。多くの研修医は医学生の最終学年(前年)に収入がないか極めて少ないため、研修医1年目は住民税がほぼゼロか非常に少額です。
ところが研修医2年目になると、1年目の給与をベースに計算された住民税が一気に天引きされ始めます。住民税は所得の約10%が目安ですから、研修医1年目の年収が高ければ高いほど、2年目の住民税も大きくなります。
私の場合、1年目の年間手取りは643万円でした。2年目6月以降の手取りが1年目比でやや抑えられているのは、この住民税の特別徴収開始が一因です。
住民税ショックへの対策3つ
- 2年目の家計予算を「住民税込み」で再設計する:1年目の手取りをそのまま継続できると思って生活費・投資額を決めていると、2年目6月以降に資金が詰まります。2年目4月の段階で「来月から手取りはどう変わるか」を事前に試算しておくのが鉄則です。
- 投資額を「固定」ではなく「変動枠」と「固定枠」に分ける:クレカ積立のつみたて投資枠(月10万円など)を「絶対に崩さない固定枠」に設定し、余剰分をスポット購入する「変動枠」にしておくと、住民税ショックで現金が減っても積立だけは継続できます。
- ふるさと納税の活用:住民税の節税として最も即効性があるのがふるさと納税です。控除上限額は前年所得で決まるため、研修医2年目こそ積極的に活用すべきタイミングです。→ 医師のふるさと納税完全ガイドも参考にしてください。
資産が横ばいになった2年目後半、婚約・引越しだけが理由ではありませんでした。住民税ショックを事前に知っていれば、もう少し計画的に動けたはずです。これから研修医になる方には、ぜひ早めに把握しておいてほしい知識です。
研修医が投資でつまずくポイント——卒業旅行で資産を全売却した失敗談
正直に白状します。私の投資キャリアは壊滅的なスタートから始まりました。
医学生の頃からオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)やS&P500連動の投資信託を少しずつ積み上げていたのですが、2024年2〜3月の卒業旅行の資金がなく——ほぼ全ての資産を売却しました。
このとき口座に残った残高は、わずか11,105円。
売却のタイミングも最悪で、「もう少し持っていれば…」という後悔が今でも残っています。でも一番ストレスだったのは「売らなければよかった」という感情そのものでした。毎日チャートを見て「今が高値か安値か」を考え、売却のタイミングで悩み、売った後も後悔する。
インデックス投資はパフォーマンスが優れています。でも「売る」という行為には、想像以上のメンタルコストがかかる——この体験が、研修医としての私の投資スタイルを大きく変えることになります。
研修医がインデックスをやめて高配当株に切り替えた理由
インデックス投資の優位性は、理論的には明らかです。長期で見れば市場平均に勝ち続ける投資家はほとんどいない、コストを最小化してオルカンやS&P500に分散投資するのが最適解——これは今でも正しいと思っています。
でも研修医として高配当投資にシフトした理由は、理論ではなく感情でした。
「売る」という行為のメンタルコスト
「必要なときに売ればいい」は、言葉では簡単です。でも実際に取り崩そうとすると、「今が高値かもしれない」「売った後に上がったらどうしよう」という感情が湧いてきます。研修医として当直・オンコール明けの疲弊した状態でチャートを見続けるのは、想像以上に消耗します。
高配当投資が研修医に向いている3つの理由
一方、高配当投資の考え方はシンプルです。「売らなくても、配当金という形でお金が入ってくる」。売らない。長期保有し続けるだけで、定期的にキャッシュが入ってくる。
研修医として2年目に住民税ショック・結婚イベントで資産が横ばいになっても、相場が揺れても投資を継続できたのは、「配当が入ってきている」という実感があったからだと思っています。
また、新NISAの成長投資枠は非課税で配当金を受け取れるため、高配当投資との相性が特に優れています。配当金にかかるはずの約20%の税金がそのまま手元に残るのは、長期保有で複利的に効いてくる大きなメリットです。
インデックス投資が合理的に正しいことは変わりません。でも「続けられる投資」が、研修医の自分にとっての最適解だと確信しています。→ 高配当投資で評価益+31%を達成した実績公開もあわせてご覧ください。
研修医におすすめのNISA証券会社とクレカ積立の始め方|4社体制の実例
NISA投資と並行して、研修医2年目の春頃からクレカ積立を本格スタートしました。現在は4社体制で月合計35万円を積み立てています。
とは言っても、長期的に絶対に取り崩さない資産形成としては10万円分、残り25万円はポイ活の一環として積立しています。
→ クレカの使い分け全体像はクレカ使い分けマップでも整理しています。
研修医のクレカ積立4社体制(月合計35万円)
| 証券会社 | クレジットカード | 還元率 |
|---|---|---|
| SBI証券 | 三井住友ゴールドNL | 1.0% |
| マネックス証券 | マネックスカード | 1.1% |
| 三菱UFJeスマート証券 | 三菱UFJプラチナカード | 1.0% |
| 松井証券 | JCBゴールドカード | 1.0% |
研修医2年間で獲得したポイントは概算で約20,000ポイント。NISA枠分だけでも約10,000ポイントです。
各社の詳しい還元率比較や組み合わせの選び方はクレカ積立でJALマイルを最大化する方法|4社比較で解説しています。
研修医がクレカ積立を始めるなら三井住友ゴールドNL×SBI証券が最初の選択肢
研修医がクレカ積立を始めるなら、最初の組み合わせはSBI証券×三井住友ゴールドNLが最もベーシックだと感じています。
三井住友ゴールドNLは年間100万円利用で翌年から年会費永年無料になり、NISAのつみたて投資枠の積立でも1.0%のポイントが貯まります。設定さえしてしまえば、あとは自動で積み立てられます。「入職初月に設定して一生ほったらかし」が最強です。
研修医になれば年間100万円決済は問題なく達成可能なはずです。
研修医がクレカ積立を1年目から始めなかった後悔
クレカ積立を始めたのは研修医2年目の春でした。1年目のスタートと同時に始めていれば、さらに約10,000ポイント多く獲得できていました。金額にして約1万円。「たった1万円」と思うかもしれませんが、これを非課税のNISA口座で30年複利運用すると4万円以上になります。
入職初日からクレカ積立を設定すること——これが研修医が最初にやるべきことでした。
研修医時代のもう1つの反省——米国個別株より国内高配当ETFが合っていた
「高配当株を研究しよう」と思い立ち、日本株だけでなく米国の個別高配当株も購入しました。結果として含み益は出ていますが、英語の決算資料を読み込む時間が取れず、「なぜ上がっているか・下がっているか」を説明できない銘柄を保有し続けることへの気持ち悪さが残りました。研修医として分散投資の観点から米国株を持つこと自体は正しいですが、個別銘柄ではなくETFで保有すべきだったと感じています。
研修医が今すぐ始める投資の始め方——3ステップ
4月から研修医になる方に、経験者として伝えたいことをまとめます。
① 入職したらNISA口座を即日開設する
NISA口座は開設に時間がかかります。書類が届いてから実際に購入できるまで2〜3週間かかることも。「入職したら翌日に申し込む」くらいの意識で動いてください。
新NISAはつみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)を併用でき、非課税で運用できる生涯投資枠は合計1,800万円です。研修医1年目から始めることで、この非課税枠を最大限に活用できます。
② 三井住友ゴールドNL×SBI証券のクレカ積立を入職初月に設定する
研修医がクレカ積立を始めるなら、最初の組み合わせはこれ一択です。三井住友ゴールドNLは年間100万円利用で翌年から年会費永年無料になり、つみたて投資枠の積立でも1.0%のポイントが貯まります。私は2年目から始めて約1万円分のポイントを損しました。入職初月に設定するのが正解です。
すでに楽天経済圏にどっぷり浸かっている人は、楽天証券でも問題ないですが、楽天ノーマルカードだと積立に適した銘柄の還元率が0.5%とやや弱いです。
③ インデックスか高配当か、「売れる自分かどうか」で選ぶ
合理的にはオルカンやS&P500へのインデックス投資が優れています。でも「必要なときに淡々と取り崩せる人」でないなら、配当利回り3〜4%の高配当株への長期保有の方が続けやすいかもしれません。どちらが正解かより、どちらが自分に合っているかを考えてみてください。私は「売れない人間」だとわかったので高配当を選びました。それだけのことです。
まとめ|研修医2年間のNISA投資で得た4つの教訓
- NISA評価額:315万円(評価益+62万円・+24.52%)
- クレカ積立2年間の獲得ポイント:約20,000ポイント
- 月15万円の継続投資(約1年間)が評価益の原動力
- 住民税ショックを事前に知っておくことが2年目の計画を守る
失敗したからこそクレカ積立の重要性を身をもって知り、売却で後悔したからこそ高配当という自分に合うスタイルを見つけました。研修医という限られた時間の中でも「続けられた2年間」は、お金では買えない財産だと感じています。来月からは専攻医として新しいステージに進みます。投資とポイ活の記録は、これからも続けていきます。
よくある質問(FAQ)
研修医でもつみたてNISAは始められますか?
はい、始められます。NISA口座は誰でも開設でき、研修医でも入職後すぐに申し込むことができます。口座開設から実際に購入できるまで2〜3週間かかる場合があるため、入職初日に申し込むのが理想的です。
研修医におすすめの証券会社はどこですか?
SBI証券と三井住友ゴールドNLの組み合わせが最初の一択だと感じています。年間100万円利用で翌年から年会費永年無料になり、NISAのつみたて投資枠の積立でも1.0%のポイントが貯まります。設定後は自動で積み立てられます。
楽天ユーザーの方は楽天証券×楽天カードでも問題ないですが、還元率がやや劣ります。
研修医はいくらくらいNISAに投資できますか?
病院の給与水準によって大きく異なります。私の場合は給与水準が高い市中病院・借り上げ宿舎(家賃1.5万円)という恵まれた環境で、月15万円前後をNISA投資に回すことができました。大学病院など給与が低い場合は月5〜10万円程度になるケースも多いです。
研修医がクレカ積立を始めるなら何から始めればいいですか?
三井住友ゴールドNL×SBI証券の組み合わせから始めるのが最もベーシックです。設定さえしてしまえば自動で積み立てられます。私は研修医2年目から始めて約1万円分のポイントを逃しました。入職初月から設定するのが正解です。
研修医はインデックス投資と高配当投資どちらがおすすめですか?
合理的にはインデックス投資(オルカン・S&P500)が優れていますが、「必要なときに淡々と売れる人かどうか」で選ぶのがおすすめです。私は卒業旅行での売却で感じたメンタルコストから高配当投資を選びました。どちらが正解かより、自分が続けられる方を選ぶことが重要だと思っています。
研修医2年目の住民税はいくらになりますか?
住民税は前年所得の約10%(所得割)+均等割(約5,000円程度)が目安です。研修医1年目の年収が600〜650万円程度の場合、2年目6月以降に天引きされる住民税は年間30〜50万円規模になることがあります。1年目は前年無収入のため住民税がほぼゼロという恵まれた状態ですが、2年目から一気に増加するため、事前に家計計画に組み込んでおくことが重要です。
研修医はiDeCoを始めるべきですか?
研修医2年間はまずNISAを優先するのが基本です。iDeCoは掛金が全額所得控除になるメリットがある一方で、60歳まで原則引き出せないという制約があります。研修医時代は転職・進路変更・結婚など人生の変数が多いため、まず生涯投資枠1,800万円のNISAを使い切る方向で資産形成を設計し、専攻医・専門医として収入と生活が安定してからiDeCoを検討するのが現実的です。
研修医は副業禁止ですが、株式投資やNISAはできますか?
はい、問題なくできます。初期研修医が禁止されているのは「外勤(アルバイト)」などの副業・兼業であり、株式投資・投資信託・NISA・iDeCoといった資産運用は副業には該当しません。これは厚生労働省の研修医に関するガイドラインにおいても資産運用を制限する規定はなく、一般的に問題ないとされています。ただし、病院によって細則が異なる場合もあるため、不安な場合は就業規則を確認してください。


